薄毛にもう悩む必要なし?東京医科大/資生堂/東邦大がタッグを組んだ毛髪再生治療について解説

 

 

若ハゲ丸
若ハゲ丸

2020年3月6日に東京医科大学は下記のプレスリリースを行いました。

 

 

 

【プレスリリース】東京医科大学皮膚科科学分野の坪井良治主任教授を中心とする研究チームが、毛髪再生医療による男女の壮年性脱毛症の新たな治療法の開発ー自家毛髪細胞を用いた臨床研究により安全性と改善効果を確認

東京医科大学皮膚科学分野の坪井良治主任教授を中心とする研究チームは、東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科 新山史朗准教授および株式会社資生堂(以下、資生堂)再生医療開発室(細胞培養加工等担当)と共同で、脱毛症や薄毛に悩む方々を対象に、医師主導の臨床研究を行いました。その結果、自家毛髪培養細胞を用いた細胞治療法に安全性と改善効果を認め、男女の壮年性脱毛症の新しい治療法になりうることを示しました。
これは、再生医療による新しい薄毛治療法の開発に向けた重要な研究成果です。
なお、この研究成果は、2020年3月5日付のJAAD誌((Journal of American Academy of Dermatology)オンライン版)に掲載されました。

404 Not Found | 東京医科大学
アクセスしようとしたページは削除されたかURLが変更されました。 お手数をおかけしますが、もう一度該当ページをお探しください。
奥様
奥様

これは…、どういうこと?

若ハゲ丸
若ハゲ丸

かなり画期的な発表です!今回の記事では東京医科大・資生堂・東邦大の取り組む毛髪再生医療について解説していきたいと思います。

臨床研究結果の要点

JAAD誌に掲載された研究成果レポートを購入(US$40)しました。
今回東京医科大、資生堂、東邦大が発表した超簡単な研究成果の要点は下記です。

【臨床研究内容】
・ 被験者の後頭部から少量の皮膚組織を採取し、細胞加工施設にて毛球部毛根鞘細胞を分離/培養
・ 培養された毛球部毛根鞘細胞を男女65名の薄毛が進行している頭皮に注射
・ 12か月後までに毛髪量、毛の太さなどを測定【結果】
・ 毛球部毛根鞘細胞を注射した部位の毛髪量、毛の太さはプラセボ(偽薬)と比較して有意に増加
・ 有効性に男女の性差はなし
・ 重大な有害事象も発生せず(参照:Autologous Cell-Based Therapy for Male and Female Pattern Hair Loss using Dermal Sheath Cup Cells: A Randomized Placebo-Controlled Double-Blinded Dose Finding Clinical Study

 

奥様
奥様

毛球部毛根鞘細胞?これだけ見ても何が何だか…。

若ハゲ丸
若ハゲ丸

そうですよね。詳しく、且つできるだけ簡単に下記に解説していきます。

 

そもそも「毛髪再生医療」とはなんだ?

細胞の力を使って失った機能を取り戻す

再生医療とは「細胞の力」を使って失った機能を取り戻す医療のことを指します。

例を挙げるとトカゲのしっぽは切り離されてもまた元通りになりますが、人間にも元々再生しようとする力があります。

再生医療とはケガや病気などで失われてしまった機能を、薬などを用いて治療するのではなく、人のカラダの「再生する力」を利用して元通りに戻すことを目指します。

2012年に山中教授が「iPS細胞」の発見でノーベル賞を受賞してからよく聞く言葉ですよね。

「毛髪再生医療」とは再生医療の毛髪版で、加齢や事故などで失われた頭髪を再生させることを目指す医療行為のことを指しています。

 

 

AGA(男性型脱毛症)の治療法

発毛に関連する研究は古くから行われており、特に最も発症数が多いと言われるAGA(男性型脱毛症)の治療方法はある程度確立され、日本皮膚学会によるガイドラインでは外用薬のミノキシジルと経口薬のフィナステリドが推奨度A(行うよう強く勧める)と評価されています。

出典:日本皮膚科学会作成ガイドライン

 

しかし、フィナステリドは女性禁忌となっているなど全ての患者に有効ではなく、継続的に薬を使用しなければAGAが再発症するなど完璧な治療法には程遠いのが現状です。

 

ミノキシジルの効果と副作用。購入先についても解説!
若ハゲ丸 AGA治療に有効なミノキシジルという薬。発毛効果がものすごい攻めのAGA治療薬です。 奥様 いつも寝る前に飲んでるやつね…。 若ハゲ丸...

 

フィナステリドの効果と副作用。フィンペシアなどジェネリックについても解説。
若ハゲ丸 AGA治療に有効なフィナステリドという薬。脱毛を防ぐ守りのAGA治療薬です。 奥様 いつも寝る前に飲んでるやつね…。 ...

 

また、ミノキシジルやフィナステリド以外にも自家植毛と呼ばれる「薄毛が進行しづらい後頭部の髪の毛を採取し、薄毛が進行している部分に移し替える治療」も確立されておりますが、大掛かりな手術が必要となる他、頭髪の総数を増やす治療ではないため抜本的な解決策とはなっていません。

 

 

毛髪再生医療は薄毛の抜本的な解決法?

これまでの薄毛治療はある程度効果があるものの、継続的な治療が必要となる他、全ての患者に有効でないなど薄毛を根本から解決する治療法になっていません。

一方で毛髪再生医療は一度施術を行えば、移植した細胞が毛髪サイクルを開始し効果が永続的に持続する他、性別を問わず施術が可能となるため薄毛の抜本的な解決法として開発が期待されています。

国内では東京医科大学の坪井良平教授を研究リーダーとして東京医科大学、資生堂、東邦大学がタッグを組む研究チームと、京セラと理化学研究所のチームの2つが毛髪再生医療に取り組んでいます。

 

いずれのチームも2020年までにヒトを対象とした臨床研究を実施すると表明しており、チーム坪井?の研究成果が今回公表されたものと考えられます。

(まだ京セラと理化学研究所の臨床研究成果は公表されていないようですので、東京医科大/資生堂/東邦大のチームが1歩先に行っている模様です)

 

 

東京医科大/資生堂/東邦大の臨床研究アプローチ

発毛のかなめ、毛球部毛根鞘細胞とは?

東京医科大学の坪井教授の研究つーむが着目するのは毛球部毛根鞘細胞と呼ばれる細胞。

これは毛髪の成長に影響を与える細胞で、毛を生み出す器官である毛球の底部に位置しています。

これまでは実際に髪の毛を生み出す毛乳頭細胞が注目されていたのですが、1992年以降、毛球部毛根鞘細胞が発毛に重要な役割を持つことが判明してきています。

実際にJahodaの研究*では毛乳頭細胞と毛球部毛根鞘細胞を移植した場合に、毛球部毛根鞘細胞を移植したケースのみ発毛が認められたと報告されています。

(* Horne KA, Jahoda CA:Restoration of hair growth by surgical implantation of follicular dermal sheath. Development. 1992;116:563—71.)

(画像:https://薄毛治療・.com/entry91.htmlより)

 

 

この研究の役割分担はどうなっているの?

医療機関である東京医科大学病院と東邦大学医療センター大橋病院が頭髪の摂取/移植を行い、資生堂細胞培養加工センターが毛球部毛根鞘細胞の分離/培養するという役割分担をしています。

下図の医療機関が東京医科大/東邦大の大学病院、細胞加工培養施設が資生堂ということですね。

(出典:https://www.tokyo-med.ac.jp/news/media/docs/20200306pressrelease.pdf

 

 

細胞の分離・加工・培養ってどうするの?

 


(出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000135.000005794.html)

 

この臨床研究のかなめとなるのが、資生堂の担当する毛球部毛根鞘細胞の分離・加工・培養のプロセス。

このプロセスは実は資生堂が独自で開発したものではなく、カナダのバイオベンチャーである「レプリセル社(RepliCel Life Science Inc)」のもつ「毛髪再生医療技術(RCH-01)」と呼ばれる特許を使用しています。

レプリセル社は研究チームと同じく毛球部毛根鞘細胞に着目して研究を進めてきており、これまで毛髪密度の向上等の研究成果を出してきております。(2016年より欧州で第Ⅱ相臨床試験を開始済み)

資生堂は第Ⅰ相臨床試験を終了し、一定の有効性と安全性が確認されたことから2013年にレプリセル社と特許使用に係る契約を締結し、同社の技術を使用して資生堂細胞培養加工センター(SPEC:Shiseido cell-Processing & Expansion Centerにて胞の分離・加工・培養を行っています。

詳細なプロセスについては特許ということもあり詳しい内容については発見できませんでした。

 

 

この研究はいつから行われているの?

3つの研究機関が関わっているため、どこが一番初めに研究を開始したのかが不明ですが、確認できた中では2003年に資生堂がヒト毛髪再生に係る基礎研究を始めたのが始まりのようです。

その後、2013年7月にレプリセル社と特許契約を締結した後、2014年5月に神戸ポートアイランドに「資生堂細胞加工培養センター」を設立。2016年6月東京医科大学、東邦大学、資生堂が連携し、医師主導の臨床研究を開始し、2020年3月にこの臨床研究の結果が公表された、という経緯です。

年月事象
2003年資生堂がヒト毛髪再生に係る基礎研究を開始
2013年7月資生堂とレプリセル社が毛髪再生医療技術に関する特許契約締結
2014年5月神戸に資生堂細胞加工培養センターが設立
2015年厚生労働省より施設の製造許可を取得
2016年6月東京医科大学、東邦大学、資生堂が連携し臨床研究開始
2020年3月臨床研究結果公表(NEW!)

2003年に基礎研究開始されていることから資生堂は昔からこの再生医療に目をつけていたのですね…。

 

 

東京医科大/資生堂/東邦大の臨床研究方法・結果

臨床研究の方法

今回の実施された臨床研究は、被験者の後頭部から採取した皮膚組織を細胞加工培養センターで培養した後、培養後の毛球部毛根鞘細胞を被験者の薄毛部分に注射するというものです。

被験者は男性50名、女性15名で、年齢は平均51.1歳(±7歳)。この被験者に対してプラセボを含む濃度の異なる毛球部毛根鞘細胞を注射し、12か月後まで毛髪密度、毛の太さなどがどのように変遷するのかを測定していきます。

尚、被験者の薄毛度合いはハミルトンノーウッド分類でIVからVIのかなり薄毛が進行している状態で臨床試験を行っております。

プラセボ(偽薬)とは?
有効成分を含まない(治療効果のない)薬のこと。プラセボを投与された被験者とそうでない被験者を比べることでその薬の有効性を検証するために臨床試験などで使用されます。
ハミルトンノーウッド分類とは?
AGAの進行パターンを分類するもので、アメリカのハミルトン医師とノーウッド医師が作成したことからこのように呼ばれています。振られている番号が大きくなるほど薄毛が進行していることを表しています。https://hage-chiryo.com/m-o-or-u/

6か月後、9か月後にプラセボと比較し毛髪が増加、男女での違いなし、安全性も確認

毛球部毛根鞘細胞の濃度が一番低い液を注射された方は、プラセボと比較して6か月後、9か月後に毛量、毛の太さともに改善していることがわかります。

英語でかつ字が小さくてわかりにくいですが、下図の左側が毛量、右が毛の太さを示しています。

毛球部毛根鞘細胞の濃度が一番低い線(■Low)が6か月後、9か月後に毛量、毛の太さともに、プラセボ(〇Placebo)を上回っていることがわかります。

一方で毛球部毛根鞘細胞の濃度が中程度(◆Med)、高濃度(▲High)についてはプラセボを下回っているので、濃いほどいいというわけではないようですね。

(毛球部毛根鞘細胞の濃度はHigh 7.5×106/ml、Med 1.5×106/ml、Low 3.0×105/ml)

(Autologous Cell-Based Therapy for Male and Female Pattern Hair Loss using Dermal Sheath Cup Cells: A Randomized Placebo-Controlled Double-Blinded Dose Finding Clinical Study, fig2)

 

また、男性・女性といった性別に関係なく効果が表れていることが判明しています。

プラセボと比較してみても男性(Male)・女性(Female)ともにほぼ同じ効果がでていることがわかりますね。

(Autologous Cell-Based Therapy for Male and Female Pattern Hair Loss using Dermal Sheath Cup Cells: A Randomized Placebo-Controlled Double-Blinded Dose Finding Clinical Study, fig3)

 

年齢別での比較では平均年齢である51歳以上の人の方が、51歳未満の人よりも毛量が増加しています。

ただし、今回の臨床研究では51.1歳を平均として±7歳までの人しかいないため、あくまでも参考程度なのかもしれません。

(Autologous Cell-Based Therapy for Male and Female Pattern Hair Loss using Dermal Sheath Cup Cells: A Randomized Placebo-Controlled Double-Blinded Dose Finding Clinical Study, fig3)

 

また、臨床研究に伴い、紅斑、腫張、紫斑病、わずかな出血などが14例認められましたが、いずれも軽微であり安全性も確保されていることがわかっています。

 

 

いつ実用化するのか?

このように薄毛治療に効果があることが判明したものの、実際に誰もが治療を受けられる段階になるにはまだ時間がかかることが想定されます。

実際にこの臨床研究結果に対しても、「本臨床研究では、S-DSC(筆者注:毛球部毛根鞘細胞)を薄毛部の小さな面積に一度だけ注射し、有効な細胞濃度を決定し、安全性を確認しました。しかし、臨床で実際に治療法として使用するためには、薄毛部全体に複数回投与して、見た目でわかる治療効果と安全性を示す必要があります。そのための臨床研究を今後実施する予定です。」と述べられており、実用化にはまだ追加の臨床研究が必要のようです。

新しい治療法は臨床研究を重ねる必要がある他、安全性を多角的に評価し問題がないことを確認する必要があるため、すぐに実用化にはならないかと思います。

(出典:https://www.tokyo-med.ac.jp/news/media/docs/20200306pressrelease.pdf

 

 

治療費は?

現時点では全くわかっておりません。ただし、毛髪再生医療という全く新しい分野である上、最新の医療技術が使用されていることや、まだ効率化が進んでいないということ、そして毛髪再生医療は多くの人にとって自由診療となることが考えられるため非常に高額になることが予想されます。

ネット上では500万円だの1,000万円だのと言われていますが、実際にどのような料金設定になるのかは現時点では不明です。

一般市民に手が出るくらいであることを祈りますね…。

 

 

今回の臨床試験の個人的な感想

今回、研究チームにより毛球部毛根鞘細胞が毛量増加や毛を太くさせる作用をもっていることが証明され、毛髪再生医療に大きく前進したのではないかと思っています。

また、この治療法は男女問わず行えることを示しております。傾向として男性よりも外見を気にする女性にとって朗報であることは間違いないですね。安全性もきちんと確認できたことは安心です。

しかし本研究はまだ臨床研究の第一段階であり、今後も臨床研究を重ねていく必要があることから実用化まではまだ時間がかかるものと見込まれます。

費用についてもかなり高額となることが考えられ、一般市民が気軽に薄毛治療をできるようになるには実用化されてからさらに時間がかかってしまうかもしれませんね。

とは言え、今回の臨床研究結果は我々薄毛・ハゲにとって非常に明るいニュースであることは間違いなく、今後もこの研究チームの動向に目が離せません。

 

若ハゲ丸
若ハゲ丸

今からでも少しずつお金を貯め始めようかな?笑
あるいは資生堂の株を買うのもおススメかもしれません。

まとめ

薄毛の救世主、毛髪再生医療
・ 毛根そのものを復活させるのが毛髪再生医療
・ 誰でも効果を実感することができ、また一度治療を行えばずっと毛が生えてくる画期的な治療
・ 国内では東京医科大/資生堂/東邦大と京セラ/理化学研究の2つのチームが研究中東京医科大/資生堂/東邦大の毛髪医療再生研究チームが臨床研究を公表
・ 着目したのは「毛球部毛根鞘細胞」
・ 臨床研究の結果、毛量の増加、毛が太くなることが確認
・ 
男女で効果に差はなく、安全性も確認された
・ 今後、さらなる臨床研究を実施予定。実用化はまだまだ先になることが想定される。

本当に毛髪医療再生の研究が進んでいることは嬉しいです。特に我々のようなAGAの患者だけでなく、円形脱毛症やびまん性脱毛症などといった病気の方にとっては本当に朗報なのではないでしょうか。
まだ臨床研究の第一段階ということもあり、まだまだ実用化に向けては時間がかかるものと考えられますが、こういった希望があるのは本当に嬉しいですね。これからも東京医科大/資生堂/東邦大のチームに頑張ってほしいです。
AGAの人はとりあえずこの毛髪再生医療が実用化されるまではミノキシジルやフィナステリドといった薬を飲み続け、実用化されてからはこの治療を行うというのが一番いいのかもしれません。
若ハゲ丸
若ハゲ丸

最後までお読みいただき誠にありがとうございました!
今後も毛髪再生医療についてはウォッチしていきたいと思います。

フィナステリド・ミノキシジル併用時の効果や飲み方、副作用は?
  高い発毛効果があることで知られるフィナステリド×ミノキシジルの組み合わせ。 この記事ではフィナステリドとミノキシジルを併用した場合の効果、飲み方、副作用や実際の発毛効果について解説していきます。 ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました